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スウェーデン語教師。スウェーデンの田舎生活で日々感じることを綴ります。

【移民社会スウェーデン】シーマの喧嘩

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暖炉で火を焚いている。

火がたまに青くなる。
青という色は不思議だ。
冷たいというイメージがあるのに、
強く燃える炎も青い。
青はシーマの一番好きな色。

シーマは西アジアのある紛争地域から来ている。
10代前半で結婚させられ、
10代半ばで最初の子を産んだ。
旦那となった人は、
シーマのお父さんの友人。
借金が返せなくなったお父さんが
娘との結婚を提案し、その相手にシーマが選ばれた。
「ある日朝起きたら、
周りに人が座って拍手をしていた。
どうしたの?と聞いたら、
おめでとう、あなた結婚が決まったよ、
と言われたのよ」と話す。
旦那の暴力から逃げるため
数年前スウェーデンに渡った。

先日、シーマとカリールが喧嘩をした。
シーマはこれまでの人生を男性によって左右され
男性によって破壊され続けて来たため
男性について全く良く言わない。
カリールはそれを、
シーマがどうしてそこまで一般論として話すのか、
理解ができない。
彼らは知り合って間もなく、
お互いの歴史をまだあまり知らない。

シーマは、女性の権利が認められず
強い男性の権威のもと、女性が厳しい生活を
強いられることが多い文化で、
実際に犠牲を強いられて生きてきた。
カリールは、シリアで大学を出て、
自国では小さいながら自分のビジネスも持っていた青年。
彼自身は、自分の人生のために他人の人生を
犠牲にしようとは思っていない。

たくさんの面で異なる二人。
二人に共通するのは、共にイスラム教徒であるということだけ。
こんなに違うのだけど、宗教は同じ。
喧嘩の理由のどこかに、どこか隅っこに少しだけでも、
あなたの文化は私の文化と同じという
思い込みが互いの中になかったか、と思った。

シーマとカリールの話を聞いていて、
本当に、イスラムの文化というふうに
一括りにはできないのだなと思った。
国が違うからだという話になるかもしれないけど、
じゃあたとえ一つの国でも、ある国の文化と
一括りにすることはできない。

人はある家族文化、地域文化に生まれるのだろうと思う。

その家族文化と地域文化は
さらに大きな国や宗教などに影響を受けているのだけど、
それぞれ異なる経済状況、歴史、自然環境、気候など
あらゆる要素の影響を受けるから
結果似た部分が多少ある、全然違う文化になる。

人が自分自身直接関わりが持てる文化は、家族と地域。
それよりも大きな文化は、
自分の文化の一部を説明するけれど、全てではない。
イスラムという文化は、
シーマとカリールの文化の全てを説明できない。
私が日本人というだけでは
私という人間を何も説明できないのと同じように。

暖炉の火が消えようとしている。
もうすぐ寝る時間。

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